ホームへ戻る

杉本真樹先生によるMetaverse・XRセミナーのお知らせ NEW Release!! 

シミュレーションセンター主催のスペシャルセミナーのお知らせです。

帝京大学冲永総合研究所Innovation Lab教授の杉本真樹先生によるセミナー「Metaverse・XR(VR/AR/MR)による手術支援・ロボット手術・遠隔診療」を下記の通り開催いたします。

この分野の研究にいち早く取り組んでいらっしゃった第一人者でいらっしゃる杉本先生より、メタバースやXRについて臨床、教育の両面から最新の情報をご講演いただきます。

本学・本医院の教職員、学生のどなたでもご参加いただけます。杉本先生のお話を拝聴できる貴重な機会ですので、皆様お誘いあわせの上、ぜひご参加ください。

 

Metaverse・XR(VR/AR/MR)による手術支援・ロボット手術・遠隔診療

日時  2023年4月18日(火) 18時開始

会場  順天堂大学7号館13階カンファレンスルーム(有山登記念講堂)

講師  杉本真樹 先生(帝京大学冲永総合研究所Innovation Lab 教授)

司会  福永 哲 先生(シミュレーションセンターセンター長/食道・胃外科教授)

コメンテーター 北出真理先生(シミュレーションセンターセンター副センター長/産婦人科教授)

 

 

フライヤーはこちらから

NHK BS「8K医療改革最前線2023」の放送日のお知らせ NEW Release!! 

先月、当センターも撮影会場の一つとして行われましたNHK BSの特別番組「8K医療改革最前線2023」の放送日が決まりました。

順天堂大学の佐藤信紘特任教授(ジェロントロジー研究センター)、天野篤特任教授(心臓血管外科)、内藤俊夫主任教授(総合診療科)、田端実主任教授(心臓血管外科)、による臨床と教育への活用の様子がご覧になれます。

8Kの映像技術が現在の医療にどのような革命を起こしているのか、大変興味深い内容と思いますのでぜひご覧ください。

 

【BS8K】
「8K医療改革最前線2023」(49分)
♢3/27(月)午後2:00~
♢4/2(日)午後5:00~

 

【BS1】
「8K医療改革最前線2023」(49分)
♢4/2(日)午後10:00~

 

 

当センターで撮影された時の様子はこちらから

8Kの映像を活用した学生への講義 (NHKの番組収録)NEW Release!! 

「FUSEから学ぶ電気メスの基礎と安全使用のためのハンズオンセミナー」が開催されましたNEW Release!!

2月27日(月)、当センターにて「FUSEから学ぶ電気メスの基礎と安全使用のためのハンズオンセミナー」が開催されました。

 

手術室で毎日のように使用する電気メス等のエネルギーデバイス。

それらの仕組み・原理を理解して安全に使用するという目的の下、今回のセミナーが行われました。

 

はじめに当センターのセンター長でもある、上部消化管外科の福永哲教授より開会のご挨拶をいただきました。

 

右から福永哲先生、折田創先生(上部消化管外科)、村上圭祐先生(産婦人科)

 

講師はFUSE(Fundamental Use of Surgical Energy)の有資格者である、産婦人科准教授の村上圭祐先生です。

村上先生には、学生実習にて当センターを頻繁にご利用いただいており、教育にも非常に熱心な先生です。

 

 

プログラム内容は、前半:エネルギーデバイスの基本原理についてのご説明、後半:有害事象の発生メカニズムと予防という2部構成で行われました。

今回のセミナーは参加者体験型のハンズオンセミナーであり、村上先生よりご説明いただいた内容を実際に自ら体験することにより、より理解を深めていただけるものとなっております。

 

 

講義の様子                    福永先生も興味深く見守ります

 

 

体験の様子 熱心な先生方から質問も見受けられました

 

 

村上先生自らご実演していただきました

 

 

最後には質疑応答の時間も設けられ、ご参加の先生方からも沢山の質問をいただきました

 

ご参加された先生からは、言葉だけの説明ではなく実際に体験できてよかった、

また、こういうことが危ないんだという新たな気づきにもなったとの声があがっていました。

 

大変お忙しい中、多数の先生方にお集まりいただき、誠にありがとうございました。

当センターでは、少しでも先生方のお役にたてるセミナー等にご協力できればと考えております。

 

セミナー後参加者全員で

 

協賛:コヴィディエンジャパン株式会社

 

 

 

8Kの映像を活用した学生への講義 (NHKの番組収録)NEW Release!! 

NHKの番組制作のため、1月と2月の5日間にわたり順天堂大学、順天堂医院と練馬病院にて撮影が行われ、シミュレーションセンターもその会場として使用されました。

この企画は、順天堂大学ジェロントロジー研究センター長の佐藤信紘特任教授が主宰する、遠隔共存医療コンソーシアムが主体となり、医療現場で8Kカメラ、8K内視鏡の技術を用いた「遠隔遅延なし超高精細画像伝送システム開発」をテーマに、NHKと本学が連携することで、放送技術の成果が医療に貢献し医学教育の新しいステージを開拓することを願い、実現されたとのことです。

 

1月17日に行われた当センターでの講義は、心臓血管外科の田端実教授による「内視鏡下僧帽弁手術」の8Kの手術動画を視聴しながら、田端先生ご自身の解説にてM3-M6の学生を対象に行われました。

事前に練馬病院で8K内視鏡カメラ(オリンパス製)にて僧帽弁の手術が撮影され、講義では8Kの大型モニター(SHARP製)で視聴しました。

 

8Kの手術映像では、血管や組織、また針や糸などの微細なものの、色彩・形状・明るさなどが大変鮮明に映し出されていました。デジタルズームで拡大されても画質が落ちないとのこと。また、8Kでは組織の繊維の色までが鮮明にわかり、例えば乳頭筋が黄色や白やピンクにはっきりと区別して映し出されるため、手術中に判別しやすいなどのよさがあるそうです。これはハイビジョンではできなかった技術のため、確実に手術がしやすくなっていき、手術の質もますます向上していくとのこと。また、術野に入れていない人は何をやっているか見えないし、術者も8Kの映像ほど鮮明に見えていないそうで、8Kの技術はこれからとても必要になってくる、と田端先生はおっしゃっていました。授業では、学生から心臓手術の専門的な内容や8K技術が今後、医療へどのような活用を期待するかなどの質問が活発に行われました。

明快で且つ細やかに解説される田端先生の講義の様子。80インチの大画面で映し出された手術の映像。

 

講義の最後には次々と質問が寄せられました。
田端先生は「いい質問だね!」と一人一人の質問を受け止めながら丁寧に回答されていました。

 

手元のタブレットでは、見たい部分を拡大して見ることができます。

 

2月7日には、「8Kカメラで生命の躍動を見る」をテーマに佐藤信紘特任教授の講義が行われ、細胞や分子、ゲノムの機能や構造を8Kで見る(視る)ことがいかに今後の研究に進化をもたらすかなどを熱くお話されました。学生からは「あまり鮮明でない2Dで解剖や基礎医学の勉強をしてきたときはぼんやりとしていた知識が、8Kの鮮明で細微な映像で見るととても理解しやすかった。」など、今後の医学教育に向けた明るい感想がたくさん出ていました。

8Kの大画面モニターを使用すると、このように鮮明かつ細微に映し出されます。

 

学生の質問に対して嬉しそうにお答えになられる佐藤先生

 

最後に「今後、超高精細画像の技術が益々進化するときに、研究や開発して牽引していくのは皆さんのような若い先生です」と託すようにおっしゃられ、締めくくられました。

 

 

この他、1月7日には本院総合診療科の内藤俊夫教授が、練馬病院の患者さんを遠隔診療する様子を、1月16日には練馬病院で行う心臓血管外科天野篤教授の冠動脈バイパス手術をリアルタイムで本郷キャンパスの授業にて配信し、同時に解説も行う様子が撮影されました。遠隔診療(オンライン診療)は8K硬性内視鏡で耳や鼻、喉の診察を、バイパス手術では8K内視鏡で術野を映しています。

今回撮影された8K技術の医学教育への効果について、どのような番組になるのか、当センターもとても楽しみにしております。

 

最終日に行われたインタビューの様子

ESDトレーニングをシミュレーションセンターで行っています NEW Release!! 

先月より、上部消化管におけるESDトレーニングをシミュレーションセンターにて行っています。

消化器内科学講座より、ぜひ若手医師、そしてサポートをするコメディカルの技師さんたちの手技の向上や介助の理解のために導入希望があり、配備されました。もちろん内視鏡室でシミュレーションを行っても良いのですが、多職種・複数科でESDトレーニングが自由に行えるよう、消化器内科と当センター、また業者様の力もお借りしながら、内視鏡室からシミュレーション用にトランスを運び、高周波装置を用意して、内視鏡室さながらのトレーニングが可能な環境を当センターに整えた、という経緯です。

使用するのは、ESDトレーナーのG-Masterです。この機器は模擬粘膜をシミュレーターに装着し、内視鏡のエネルギーデバイスで一連の手術トレーニングができるというものです。

粘膜を装着する角度や食道の長さ・角度を調整することによって、11種類の胃の部位を想定してトレーニングすることができます。また、専用の局注液を注入させたり、高周波ナイフで切開や剥離もでき、臨床に近いトレーニングが可能です。

これまでに消化器内科の医師と臨床工学室のスタッフが一緒にトレーニングされていましたが、先週は臨床工学技士さんのみで利用されました。介助の際に少しでも先生たちが大変だと思う部分をわかっておきたい、どのようにデバイスを挿入したら先生方がやりやすいのかをわかっておきたい、など介助の技術力を上げるためのトレーニングでした。

トレーニングに参加した技師の皆さんは「実際に操作するととても難しく、医師の先生方のすごさがわかる」、「実際には(手術が)できないが、こうしてやってみると手術手技はすごく楽しい」と長時間集中してトレーニングされ、助言し合ったり、よりよい手技の方法を検討し合ったりしながら、励んでいました。

 

臨床工学技士の皆さんのトレーニングの様子

 

センター内が明るいため、G-Masterにシーツをかけて暗室を作り出しています。

庄司絵里先生の訪問とハーバード留学への道 NEW Release!! 

順天堂大学の卒業生であり、現在ハーバードマサチューセッツ総合病院(MGH)にご勤務されている精神科の庄司絵里先生が1月17日に順天堂大学を訪問され、シミュレーションセンターへいらっしゃいました。

当センターでは、国際共同研究機構の折田創先生(食道・胃外科)や杉山幸弘課長補佐と1年ぶりに面談をされました。

昨年、テキサス工科大学医療科学系センターからMGHへ移られたばかりとのことで、ハーバードの臨床現場やボストンでの生活のお話を伺ったり、当大学が現在行っている海外との共同研究や医師の海外留学、学生の海外ポリクリの話などをされました。

お話の中で庄司先生から、「ぜひ海外で活躍する医師を育成するお手伝いをしたい」とのご厚意をいただき、今春から始まるジョンズ・ホプキンス大学への短期留学と同様の内容で、今後当大学よりMGHへも留学生の受け入れを行っていただくことになりました。留学先を広げることに大学が尽力している中、ハーバードと提携できることは大変素晴らしいことです。

庄司先生はアメリカへ戻られた後も、当大学の国際共同研究センターのお手伝いをされるとのことで、当大学とハーバードとの研究の懸け橋としてもご活躍いただきます。

順天堂からまた一つ留学への道が広がり、学生が研鑽を重ねるチャンスができました。学生の留学に向けて、当センターもできる限りのお手伝いをしたいと思います。

 

左から、折田創先生、庄司絵里先生、杉山幸弘課長補佐

2022年度第2回縫合結紮講習会が開催されました

2023年1月14日(土)に2022年度2回目の開催となる縫合結紮講習会が開催されました。この講習会は日本内視鏡外科学会後援で、学会技術認定の申請条件が加算されます。指導者は、コーディネーターが福永哲先生(食道・胃外科教授/シミュレーションセンターセンター長)、講師に北出真理先生(産婦人科教授/シミュレーションセンター副センター長)のほか、今回のゲスト講師として東邦大学医療センター佐倉病院より大城崇司先生をお招きし、大変豪華な顔ぶれとなりました。そのため、北は北海道、南は岐阜や愛知など遠方より若手医師を中心とした受講者が参加し、3時間半に及ぶトレーニングに励んでいました。

 

大城先生からは、針の持ち方やそのトレーニング方法の基本から、スリップノットやサージョンズノット等修正方法、さらにスリーブ手術がご専門でいらっしゃるため消化管吻合のトレーニング方法についても実演を含むご講義をいただき、実技指導いただきました。

北出先生からは、縫合結紮の応用として、連続縫合やインターロック縫合、ベースボール縫合を手術中の手技動画にてご紹介いただき、そのトレーニング方法もご指導いただきました。とにかく運針スピードが速く、受講された先生方はその実演を見るだけで「このスピードと正確性で手術に臨まなければ」というモチベーションになられたことと思います。

 

福永先生から開会のご挨拶と先生方のご紹介がありました。

 

はじめのタイム計測の様子。

 

大城先生と北出先生の講義の様子

 

トレーニングの様子。講師の先生方が手本を見せながら、細やかで熱意あるご指導をされていました。

 

講習最後のタイム計測。最初の計測タイムと比較して速くスムーズにできるようになった方が多かったようです。

 

2023年度は6月3日と12月16日に開催予定とのことです。日程が近くなりましたら協賛のジョンソン・エンド・ジョンソン㈱エチコン事業部様より周知されますので、ご希望の方はそちらへお問合せ下さい。

 

協賛:ジョンソン・エンド・ジョンソン株式会社、株式会社MedVision

 

海外短期留学への支援(ジョンズ・ホプキンス大学への留学)

2023年の春・夏に当大学より米国ジョンズ・ホプキンス大学に医学部学生の短期留学を予定しています。6年生の体験型研修と3年生の語学研修です。

留学に向けて大学としてもできる限りの支援をしており、費用の援助、USMLE取得の講義のほか、医療英語を含む語学指導や臨床基本手技の実技指導も短期留学生に対して行います。また、Malcolm Brock教授をはじめとするホプキンス大学のドクター、研究留学中で現地で生活している当医院の若手医師、現地の日本人旅行代理店の方など、たくさんの方の協力を得て留学生を送り出しています。

1月6日には、現地ボルチモアで留学生の住居の手配など、日本人留学生のお世話をされている高瀬節子さんが来日され、当大学を訪問されました。高瀬さんは来春・来夏の留学生の宿泊先について親身に相談のってくださり、様々なご提案をくださいました。

 

医療英語を用いた基本手技の実技指導は、ジョンズ・ホプキンス大学の講義とマッチアップして来月から当センターで開始されます。スタートしましたら、その様子も紹介いたします。

 

高瀬節子さん(右から2人目)から左に、留学予定のM5阿保さん、安川先生(病理・腫瘍学講座)、折田先生(食道・胃外科)、折田さん(国際共同研究機構)

医療英語を使用したFirst Aid実習(国際教養学部)

12月23日(金)に国際教養学部大野直子先生の授業「医療の英語(応用)」の一環で、英語を使用したFirst Aidの実習がシミュレーションセンターにて行われました。

大野先生は、グローバルヘルス領域や異文化コミュニケーション領域の中でもヘルスコミュニケーション学や医療通訳をご専門とされており、大学院も含め、その分野の授業をたくさん実践されていらっしゃいます。

今回の授業では学部学生を対象に、医療通訳者として救命のときに必要な医療英単語やイディオム、会話等の言語学習を行うと同時に、実習を通して救命の最新の知識や技術も学ぶことを目的として行われました。

実習は医療英単語の確認からスタート。次に救急救命の手順(primary surveyやCPR)が英語で解説されているVTRを見ながら、瞬時に日本語に通訳していきます。グループ内で通訳者と救助者に役割を分け、救助者は通訳された内容を聞き、実際にCPRやAED操作を行って救命するという流れです。

今回、当センターにて蘇生講習のインストラクターをされている高橋友子さんが学生さんの救命手技をサポートするために入り、最新の蘇生ガイドラインや手技の解説を行っていただきました。

英日の通訳を行いながら、一連の救命の手技を同時に行うことは、学生さんにとって大変難しいことだと思いますが、学生さんは大野先生のご講義や高橋さんのレクチャーを真剣に受けながら、一生懸命に取り組んでいたのが印象的でした。ぜひ、学生さんには、将来医療通訳という大切な役目を担っていただき、外国人が安心して日本の医療が受けられる日が来るよう、ご活躍いただきたいと見ていて感じました。

 

医療英単語の確認から開始。専門用語を声に出して確認していました。

 

英語で流れるVTRを日本語に通訳して救助者に伝えます。

 

CPRの手技の解説を受けている様子。実際に通訳の担当者から伝えられたとおりに胸骨圧迫を行います。

 

AEDを実際に操作する様子。日本製のAEDのため、指示の音声は日本語でしたが初めて使用する学生さんもいたため、緊張感をもって取り組んでいました。

 

 

当センターでは、医学部以外の学部にも活用いただいています。順天堂すべての学びや医療技術向上の場として活用いただければ幸いです。

【シミュレーションセンター見学】ジョンズ・ホプキンス大学/ヴァンダービルト大学

11月7日より5日間、シミュレーションセンターの福永哲センター長と折田創先生をはじめとする当センターのチームがジョンズ・ホプキンス大学、ヴァンダービルト大学を訪問し、両大学のシミュレーションセンターを見学することが叶いました。センターの運営やシミュレーション教育・研修のシステムを実際に視察することが大きな目的ですが、今後教育の面で両大学と連携をはかっていくことを目指し、今回はその点での意見交換も行いました。

 

■Johns Hopkins大学

11月7日(月) 9AM Tour of Sim Hospital

ジョンズ・ホプキンス大学には3つのシミュレーションセンターがあります。1つ目は、手術室やハイリスクエリア、分娩室などでチームトレーニングを行うためのシミュレーションセンターです。もともとは手術室だったところをそのままトレーニング施設として改修し活用しています。各シミュレーションルームは臨床と同じ設備や機材の中、とてもリアルなシミュレーターを使ってトレーニングすることができ、その充実した環境に圧倒されました。

手術室

 

分娩・回復室

 

初療室

 

トレーニング機材

 

また、トレーニングルームにはコントロールルームが併設されています。ここでは、シミュレーション内容のモニタリングを行いながら、シナリオに基づいて患者の状態を変化させたり、チームがとった対応によってシチュエーションを変更するなどのシミュレーターの操作も行われます。問題解決や危険を回避するためのリアルなトレーニングが可能です。

コントロールルームからトレーニングの様子が観察でき、シナリオに沿って患者状態を操作することができる。 

 

シミュレーションでは、学習者へのフィードバックが大変重要であることを見学中に繰り返し説明いただきました。そのため、デブリーフィングのための部屋がいくつも用意され、学習者がシミュレーション中に行った判断や対応について、指導者から一人一人に合ったフィードバックがされます。

デブリーフィングルーム。シミュレーションルームの隣に併設されています。

 

 

11月7日(月) 10AM Tour of Outpatient Sim Center

2つ目のシミュレーションセンターは、主に外来診察のシミュレーションを行う施設で、12の模擬診察室があります。指導者はそのすべての様子を外からモニタリングし、シミュレーション終了後の評価や指導を行うことができます。普段の授業から模擬患者を相手にオリジナルのシナリオを使ってトレーニングが行っているとのこと。教育の質の高さとリアルなシミュレーションの重要性を実感しました。

 

12室のシミュレーション全体をモニタリングできる環境

 

眼科外来の診察室の様子。ここでOutpatientの診察シミュレーションを行います。

 

 

11月7日(月) 1PM Tour of Minimally Invasive Surgical Training and Innovation Center

3つ目のシミュレーションセンターは低侵襲の外科シミュレーション施設です。このフロアにはDaVinci3台が配備されており、カダバーをはじめリアルな手術シミュレーションを行っているとのこと。もちろん院内のトレーニングにも使用されますが、外部施設へ手術シミュレーションの環境を提供したり、コンベンションなどへの貸出しを行い、その収益をセンターの運営資金にしているとのことでした。企業の理解と協力を多大に得ているからこそ可能なスケールの大きいトレーニング施設でした。

DaVinciトレーニングルーム

 

所狭しとロボット機器が置かれています。

 

手術シミュレーションルーム

 

スタッフは3名。その一人の工学技士さんから説明をいただきました。

 

当センターのキッズセミナーを紹介をしたところ、ボランティア活動に感銘を受け、順天堂から留学している外科系の医師(内科医師も可)が、センターで行われる低侵襲手技のトレーニングをサポートしてほしいとの依頼があり快諾しました。ボランティア終了後はDaVinciなどのトレーニングも可能となりました。
このようなことはジョンズ・ホプキンス大学以外の病院ではなかなかできないことです。研究留学中に外科系手技の能力低下の心配がなくなりました。

 

 

■Vanderbilt大学

11月11日(金)8AM Tour of Center For Experiential and Assessment program Human Simulation

ヴァンダービルト大学のシミュレーションセンターは、「手術室やICUなどでチームトレーニングができるユニットのあるフロア」、「医療面接のトレーニングや評価を行えるブースのあるフロア」、「カダバーでトレーニングのフロア」の3フロアで構成されています。「体験型学習と評価センター(CELA)」と銘打っており、高機能マネキンでの技術力向上や模擬患者を相手に行う診察シミュレーションでのコミュニケーションスキル向上、そしてその評価までを行います。また各教室の実習では、シミュレーション技術プログラム(STPコース)に沿って標準化された指導がされ、その重要性を実感した見学となりました。

教育のMissionはとてもシンプルで指導者やスタッフ間で共通認識をされており、指導が徹底している印象でした。

 

【チームトレーニング】

ICU/手術室 シミュレーションルームはシチュエーションによって何通りかに変えて使えることが大切とのこと。

 

コントロールルーム     
                

デブリーフィングルーム

 

【診察シミュレーション】

模擬患者さんを標準化させるための教育を行う専従のスタッフがおり、授業を行う医師の要望を聞きながら教育プログラムを作成したりもするとのこと。ここでもフィードバックの重要性を何度もおっしゃっていました。

模擬患者の教育やプログラム、スクリプトの作成を行っているスタッフに案内していただきました。

 

ヴァンダービルト大学でも12室の模擬診察室(評価室)があり、部屋の外で観察と評価ができます。

模擬診察室

 

模擬診察室の内部とモニタリングの環境

 

今回の視察から得た米国シミュレーションセンターの素晴らしい取り組みは、当大学の教育に即した形で、当センターでも可能な部分から取り入れていけたらと思います。

 

【USMLE対策コース】Malcolm Brock教授特別講義を開催いたしました

ジョンズ・ホプキンス大学、胸部外科Malcolm Brock教授の来日に際し、USMLE対策コースとして10月18日・25日の二日間、特別講義を行っていただきました。

 

【10月18日(火)】

Brock先生のUSMLE対策コース特別講義一日目。

先生からは、USMLEの効率的な勉強方法、例題を用いて問題の解き方をご説明いただく等、非常に意義のある講義をしていただきました。

その後の診察シミュレーションでは、ピッツバーグ大学より留学中のCaroline Fedorさんに模擬患者役として参加していただきました。

 

 

 

沢山の学生達が先生の授業に駆けつけ、熱心に耳を傾けていました

 

Brock先生と学生達

 

【10月25日(火)】

この日は、USMLE STEP1合格者、M6の佐藤俊意君の合格体験談からスタート。

合格に至るまでの苦労がとてもよくわかる、ユーモア満載の佐藤君ならではの合格体験談でした。

 

 

ここからBrock先生のUSMLE対策コース特別講義二日目。

診察シミュレーションの実践編です。

現病歴や既往歴等、また診察項目ごとにどのような問診をしていくか、要点を箇条書きにまとめたスライドを見ながら、実際に学生が問診を行いました。

患者さんへの接し方や質問の仕方等、先生から細かなアドバイスをいただきながら進められました。

今回も模擬患者役として、ピッツバーグ大学からの留学生Caroline Fedorさんにご協力いただきました。

 

 

 

 

 

 

学生達の真剣に取り組む姿がとても印象的でした

 

Brock先生、上部消化管外科 折田創先生と学生達

 

世界に目を向けて勉強に励む学生達にとって、素晴らしい機会となりました。

 

Malcolm Brock教授と学生との個別面談、”Meet Malcolm”を開催いたしました

海外で医師として働きたい…

 

そんな学生のために、ジョンズ・ホプキンス大学より来日中のMalcolm Brock教授に、希望する学生との個別面談を実施いたしました。

沢山の学生と話す機会を設けたいということで、10月20・26日の二日間、Brock教授の空き時間に一人20分という短い枠となりましたが、”Meet Malcolm”を開催いたしました。

あっという間に全ての枠が埋まり、学生達の将来に対する強い志や熱意が感じられました。

 

 

学生との面談の様子

 

参加した学生からは、

・漠然としていた海外留学の目標を具体的にどうすべきか、明確にしてくれた

・今後どのタイミングで海外に行くのがいいのか、具体的なアドバイスがもらえた

・米国で働いている医師しかわからない情報を知ることができた

・米国以外での外国人医師の受け入れ事情にも精通しておられ、色々教えていただいた

 

等の声が寄せられています。

20分という限られた時間の中でしたが、有益な情報や的確なアドバイスをいただけたようでした。

 

 

 

 

面談後、学生と

 

シミュレーションセンターでは、USMLE取得を目指す学生向けに、定期的にUSMLE対策コースの学習の場としてもご利用いただいております。

医療のグローバル化が進む中、世界を目指す学生達のために、今後もこのようなイベントを通じてお手伝いを続けていけたらと思っています。

ご多忙の中快く引き受けていただいたMalcolm Brock教授、そして参加された学生の皆様共に、今後益々のご活躍をお祈りしています。

 

Brock教授滞在最終日、シミュレーションセンターより感謝の意を込めて

 

※感染症防止対策のため、面談中はマスクを着用しております。

第3回国際テクノロジーセンター会議を開催いたしました

10月19日(水)18時より第3回目となる国際テクノロジーセンター会議を開催いたしました。この国際会議は、日本国内にとどまらず海外の大学におけるトレーニングセンターの活用や教育内容を紹介し合ったり、各施設の課題について解決策を相談し合ったりと、貴重な情報を交換する場として回を重ねています。今回は「各大学におけるシミュレーション教育について」をテーマに、日本、アメリカ、中国の3か国8施設が参加して行われました。

第1部は蘇州大学胃腸外科教授の呉永友先生と愛媛大学総合臨床研修センター教授の熊木天児先生に各施設のご紹介と、シミュレーション・プログラムや教育制度、重点的に取り組んでいるその内容をご講演いただきました。また、3年ぶりの来日となるジョンズ・ホプキンス大学胸部外科教授のMalcolm Brock先生には、第2部にて「ジョンズ・ホプキンス大学特別講演」としてトレーニングセンターの紹介やパンデミックにおけるシミュレーションプラットフォームの構築、等についてご講演をいただきました。

 

 

呉永友先生(蘇州大学)「わが病院におけるシミュレーターを利用した技能訓練」

呉先生には中国の最新の医学教育システムの状況をご紹介いただいたのち、外科の先生でいらっしゃるため、外科手術の中でも腹腔鏡手術の技術認定の観点でご教示いただきました。中国では手術件数が多く、若い医師は臨床での経験がそのまま個々の技術に繋がっていくため、トレーニングセンターで訓練する必要性が大きく唱えられていない現状とのこと。また、中国では外科の技術認定制度がなく、FLSなどの認定にとどまっているとのこと。そのため蘇州大学のトレーニングセンターにはラパロの設備がなく、ジョンソン&ジョンソンやメドトロニックなどの企業、蘇州市立病院や第一附属病院などの大病院のトレーニングセンターやアニマルラボを利用しているそうで、その活用の様子をご紹介いただきました。これから認定制度も確立され、トレーニングセンターが増えていくとのことですので、今後、この会議にてまたご状況を伺えましたら幸いです。

呉先生には最後まで日本語でご講演をいただきました。 Zoomでのご講演でしたので、会場では皆でこのように拝聴いたしました。

 

コメンテーターの北出先生は、上海のトレーニングセンターでのご経験より、中国でのアニマルラボの展望に関する質問をされていました。

 

 

熊木天児先生(愛媛大学)「ピンチをチャンスに変えた愛媛大学におけるコロナ禍のシミュレーション教育」

熊木先生には、愛媛大学臨床総合研修センターの機材、環境、スタッフを含めた設備をご紹介いただき、特色ある教育として取り組まれていらっしゃる「アイプログラム」と呼ばれる研修制度をご教示いただきました。「アイプログラム」では医学部、臨床研修医に横断的に研修を行っていくそうで、学生は臨床実習にてシミュレーターを用いて入念に手技を身につけ、研修医はより実践的にハンズオンセミナーを行われていました。特に研修医向けのハンズオンセミナーの内容は、研修医の「こんなハンズオンがあったら参加ししたい」とのつぶやきから「それはすぐにできる!やろう!」といくつかの手技におけるセミナーを開催。必要な研修が必要な時に受けられる制度とそれに応対できる瞬発力が大変印象的でした。その他にも臨床実習の集大成として医学部5年生の最後に行われる「医療シミュレーションオリンピック」こと「シミュリンピック」やスーパードクター養成コースなどの重点的な取り組みについて、コロナ禍でどのように取り組んできたのかを詳しくご紹介をいただきました。

熊木先生のご講演と質疑応答の様子。動画も織り交ぜていただき、臨場感のあるご講演でした。

 

当大学で卒前卒後教育に携わる西﨑先生よりご質問  愛媛大学総合臨床研修センタースタッフの小松様より運営面のお話もいただきました。

 

 

 

Malcolm Brock先生(Johns Hopkins大学)「Hopkins Simulations」

Brock先生には、まずジョンズ・ホプキンス大学シミュレーションセンターの設備をご紹介いただきました。立地も素晴らしいですが、施設内のトレーニング環境が素晴らしく、特に外来のシミュレーションルームはすべてがモニターで可視化され、どのようなシミュレーションを行っているのかをコントロールルームで観察できるとのこと。また、その問診シミュレーションは、標準化された患者役の方を相手に学生がトレーニングを行っており、その患者役はなんと全てのボランティアとのこと。その人員確保やスケールが壮大なこと、充実した教育環境に驚きました。また、プログラム面では、全てのシナリオをセンター独自で作成していること、実践後は全てのセッションを記録して後から修正し、それぞれのトレーニングに最適なものにしているとのこと等、スタッフが様々な職種間で構成されているからこそ充実できる面ではありますが、大変興味深く、当センターでもホプキンス大学から学び、いつかぜひ挑戦したいところです。

他にも航空機の墜落から学ぶシミュレーション(コミュニケーションを含む)の重要性やCOVID-19の時に整備されたオンラインプラットフォーム(学生対象の実習で活用)についても詳細にレクチャーいただきました。

 

Brock先生より一言一言に大変重みのあるプレゼンテーションをいただきました。聞き手の共感を得るパフォーマンスに大変感銘を受けました。

 

熊木先生もアウトペーシェントトレーニングルームに関心をもたれご質問なさっていました。

 

コメンテーターの木下先生も外科のトレーニング状況についてご質問されていました。

 

 

PROGRAM

OPENING  福永 哲先生(順天堂大学上部消化管外科学教授)

 

【第1部】

座長  峯 真司先生(順天堂大学 上部消化管外科学学教授)

登壇者  呉永友先生(蘇州大学)「わが病院におけるシミュレーターを利用した技能訓練」

登壇者  熊木天児先生(愛媛大学)「ピンチをチャンスに変えた愛媛大学におけるコロナ禍のシミュレーション教育」

コメンテーター  北出真理先生(順天堂大学 産婦人科学教授)

 

【第2部】

座長  橋口忠典先生(順天堂大学)

登壇者   Malcolm Brock先生(Johns Hopkins大学)「Hopkins Simulations」

コメンテーター  木下 淳先生(金沢大学 消化管外科学准教授)

 

ENDING  峯 真司先生(順天堂大学 上部消化管外科学学教授)

 

 

オンライン回答者/参加者

嶈 小華 先生、張 順 先生(同済大学附属上海東病院/中国)

郭 伟 先生 (長治医学院付属和済病院 胃腸外科)

吴 建忠 先生(苏州第九人民医院 胃腸外科)

明 程 先生(蘇州大学付属第二病院 胃腸外科)

伊藤智彰先生(順天堂大学静岡病院消化器外科)

山内卓先生(順天堂大学上部消化管外科学)

本庄薫平先生(順天堂大学下部消化管外科学)

愛媛大学総合臨床研修センター、愛媛大学教育関係者

ほか

 

各先生方、長い時間にわたり熱いご講義をありがとうございました。また、センターにご来場いただいた皆様方には活発な質疑応答をいただき大変勉強になりました。オンライン参加をいただきました皆様もお忙しいところご参加いただきありがとうございました。医療に従事する方々のニーズに沿ったトレーニングが提供できるよう、今後も継続して行い、各国・各大学で情報交換をしていきたいと思います。

 

Brock教授をお迎えし、第2回国際共同研究機構 研究センター会議 が行われました

10月21日(金)17時より、順天堂大学国際共同研究機構が主催の「第2回国際共同研究機構研究センター会議」がシミュレーションセンターで行われました。

第2回となるこの会議は、姉妹校提携先であり、共同研究校である米国のジョンズ・ホプキンス大学より、胸部外科教授でいらっしゃるMalcolm Brock先生が来日されていらっしゃる日程で行われ、Brock教授をお迎えしての開催が実現いたしました。

また、外部評価者に昭和大学臨床薬理研究所臨床免疫腫瘍学の吉村清教授をお迎えし、報告会へのご評価をいただきました。

 

開会の辞を述べられる服部医学部長

 

 

Brock教授には第1部に特別講演としてお話いただきました。がんのDNAメチル化を演目に取り上げられ、エピジェネティクス療法に着目した経緯や基礎研究の重要性を「種(seed)と土壌(soil)の仮説」を用いて熱くご講演いただきました。

大きなジェスチャーを用いながらプレゼンテーションされるBrock教授

 

座長の市村教授とも意見交換されていました

 

 

 

その他、ジョンズ・ホプキンス大学院への進学予定者より研究報告や、ジョンズ・ホプキンス大学、東洋大学、順天堂大学で共同研究しているオンコロジー・プロジェクトの発表、ニューロロジー・プロジェクトやパソロジー・プロジェクトからの研究報告などが行われました。参加者との活発な質疑応答や意見交換の場面が見られ、大変濃厚で有意義なミーティングにご利用いただきました。

土屋先生による研究報告                 

 

座長の安川先生によるファシリテーションの様子

 

東洋大学の岩澤先生による共同研究の報告

 

Brock教授からも質問が寄せられました

 

 

 

質疑応答の様子                   

 

 李先生よりNeurologyの研究報告の様子

 

佐伯春美先生、東海林宏道先生によるPathologyの研究報告

 

 

 

プログラム

                 

■開会の辞  服部信孝 先生(順天堂大学医学部長)

 

■研究員報告

登壇者:土屋諒真 先生(順天堂大学上部消化管外科)

座 長:安川武宏 先生(順天堂大学病理腫瘍学講座)

 

第Ⅰ部 

■特別講演会

登壇者:Malcolm Brock 先生(ジョンズ・ホプキンス大学 胸部外科教授)

座 長:市村幸一 先生(順天堂大学脳疾患連携分野 教授)

■Oncology Project

登壇者:岩澤卓弥 先生(東洋大学理工学部)

 

第Ⅱ部

■研究報告会

Neurology Project

登壇者:李 元哲 先生(順天堂大学神経内科学講座)

Pathology Project

登壇者:佐伯春美 先生(順天堂大学人体病理病態学講座)

座 長:那須元美 先生(順天堂大学上部消化管外科)

 

■事務局よりご連絡

■研究センターについてご説明

 

愛媛大学総合臨床研修センターよりご見学

10月20日(木)に愛媛大学総合臨床研修センターの熊木天児センター長とスタッフで臨床工学技士の小松真也様がシミュレーションセンターをご見学されました。

熊木先生には前日の19日に国際テクノロジーセンター会議にてご講演いただいており、せっかくですので翌日に当センターのご見学をいただき、授業での活用の様子等をご覧いただきました。

 

【シミュレーションセンターの案内】

はじめに当センターの運営組織や取り組み、これまで行ってきたソフトウェア開発などについての案内を当センター運営委員の折田創先生より行いました。ここでは、愛媛大学の方からも「シミュリンピック」など特色ある教育等の情報をいただき、意見交換をすることができて大変有意義な時間となりました。

また、施設内を見学いただく中で、VRシミュレータのうち、EIDOS社の腹腔鏡シミュレーターと血管内治療シミュレーターにご興味を持たれ、お二人にご体験いただきました。国内にあまり配備されていない機器のため、操作感やゲーム感覚でできるコンテンツの特異性等を楽しんでいただけたかと思います。また、「腹腔鏡下鉗子トレーニングSASUKE」もご体験になり、鉗子を使って貯金箱におおもちゃのお金を入れるトレーニングについて「適度に難しく、楽しんでトレーニングできるいいアイディア」とのご評価をいただきました。

血管内治療シミュレーターと腹腔鏡下鉗子トレーニングSASUKEをご体験いただきました。

 

【卒後教育について】

総合臨床研修センターにて卒後教育にも力を注いでいらっしゃるため、当大学の研修制度など臨床研修センターの取り組みについて、本部長代行の鈴木勉先生よりご案内をいただきました。ここでも双方で課題やその解決法などについて、熱のこもった情報交換を行っていました。

 

【実習見学】

上部消化管外科の実習では腹腔鏡下縫合手技の習得に力を入れており、1か月の実習期間中に個々で縫合トレーニングに励みます。そのモチベーションを高めるため、最後にタイム計測によるコンペティションを行います。その実習の様子をご覧いただきました。授業は上部消化管外科学講座の折田創先生のご指導で行われています。

縫合結紮のコンペティションの様子

 

2か月前の8月19日に当センターから愛媛大学総合臨床研修センターへ見学をさせていただいており、そのご縁で今回のセミナーご出講とセンターご見学をいただきました。

引き続き教育面、運営面での情報交換をさせていただき、交流を深め、さらに充実したセンター運営をしていきたいと思います。

3年生を対象にシミュレーションセンターオリエンテーションを行いました

9月5日(月)、医学部3年生を対象にシミュレーションセンターオリエンテーションが行われました。上部消化管外科学講座の授業にタイアップしており、3年生全員が半日にわたり様々な外科手技やシミュレーター体験を行います。このオリエンテーションは、当学の学生は学年を問わず当センターを利用できること、センターではどのようなトレーニングができるのか、どのように利用すればいいのか、等を低学年のうちから知ることで、その後の学生生活の中で有効活用してもらうことを目的としています。

3回目の開催となる今年度も、①腹腔鏡下の縫合実習、②Johns Hopkins大学の手術講義、③シミュレーションセンターオリエンテーション、の3部構成で行いました。

 

①腹腔鏡下の縫合実習

シミュレーションセンター長で上部消化管外科の福永教授、また同講座の峯教授より、基本から鏡視下縫合の解説を受け、実習開始。初めて腹腔鏡の器具を扱う学生さんたちにとって、モニターを見ながら適切な角度で針を持つことは相当に難しく、班全員でアドバイスを送りながら取り組んでいました。一針できると歓声が上がっていたのが印象的でしたが、とてもためになった実習だったとの感想が多く、習得の達成感があったようでした。

福永センター長の挨拶でスタート         はじめに福永教授、峯教授より縫合の解説があります。

 

 

上部消化管外科の医師による熱心なご指導。実際に手術でされている手技のこつもご教示いただいていました。

 

今年もジョンソン・エンド・ジョンソン株式会社エチコン事業部様に指導サポートのご協力をいただきました。

 

学生同士、助言を送り合って手技に取り組んでいました。

 

 

②Johns Hopkins大学の手術講義

順天堂大学はジョンズホプキンス大学と大学間での交流があり、外科分野の授業においても積極的にオンライン講義を取り入れています。ジョンズ・ホプキンス大学胸部外科教授のErrol Bush先生による肺移植のご講義をいただきました。昨年のオンライン講義同様、肺移植・肝移植の日米での症例数の違いや灌流システムについての解説のほか、Errol先生はメリーランド州で初めてCOVID-19の患者さんの肺移植をされていらっしゃり、今回もそのご経験をVTRを交えてご講義いただきました。

 

 

③シミュレーションセンターオリエンテーション

上部消化管外科の山内先生より当センターの概要と利用方法をご紹介をいただき、シミュレーションセンターがどんな所かを理解したのち、シミュレーターを体験。今年度もVR機器を中心に、VR腹腔鏡の手術体験、VR内視鏡の検査体験、救急蘇生体験の3種を行いました。リアルな手技体験ができるため、「おもしろい」「またトレーニングしに来たい」との感想が多く出ていました。

山内先生によるシミュレーションセンターの利用方法の説明

 

VR腹腔鏡シミュレーションの様子。小腸イレウスの癒着を剥離する手術手技を体験しました。

 

手術シミュレーションの指導は株式会社MedVision様にご協力をいただきました。

 

上部内視鏡検査シミュレーションの様子。那須先生の内視鏡カメラの解説とデモンストレーションを見てからいよいよ体験開始です。

スタッフ吉野から、シミュレーター操作のこつをアドバイス。

 

 

救急蘇生体験。蘇生のアルゴリズムを確認した後、CPRと除細動を体験しました。

 

胸骨圧迫の深さや換気量がモニターに表示されるようになっているシミュレーターなので、学生たちは正確な数値を目指してCPRに取り組みます。学生さんたちは「5センチの深さまで押すことが意外にも難しい」とのこと。ぜひまたトレーニングしにいらっしゃってください。

 

除細動器を使用して実際に電気ショックを掛けることも体験しました。

 

鏡視下鉗子トレーニングSASUKEは婦人科が考案しました。ゲーム性の高いので楽しんで鉗子トレーニングを行うことができます。

 

 

今回ご紹介したシミュレーター以外にもたくさんのトレーニング機器をご利用いただくことができます。ご希望の方には機器の操作方法をご案内いたしますので、お気軽にスタッフまでお声がけください。ご利用をお待ちしております。

お問合せ:シミュレーションセンター ✉jmtsc@juntendo.ac.jp  ℡03-5802-1742(直通)

開室時間:平日 9:00 – 21:00(初めてご利用の方は17時までにご来室ください。)

セイエイ・エル・サンテホールディング㈱人材育成研修会にご利用いただきました(第2回-5回)

セイエイ・エル・サンテホールディング株式会社様の社内人材育成のためのセミナーが、3月の第1回開催に引き続き、8月5日、17日、18日、26日の4日間にわたり行われました。この研修は、全国の病院で商品を提供する自社の営業担当者が、より深い知見をもって病院のサポートができるようになってほしい、との企業様の願いから実施されています。また、企業が当センターの機能や利点を活用することで、少しでも当センター運営の支援に繋がってほしいとのご厚情もいただいております。

詳しくはこちらもご覧ください「第1回人材育成研修会(消化器外科・産婦人科)の様子」

 

今回行われた研修会の様子をご紹介いたします。4日間で当医院6診療科より医師8名を講師としてお迎えし、他企業様の賛助もいただきながら、講演とシミュレーション実習の2部構成で行われました。どの研修会も講師の先生の熱のこもった講演や実習指導と、受講者からよせられたたくさんの質疑により、内容の濃い大変素晴らしい研修となっていました。

 

 

第2回 脳神経外科 8月5日(金) 

■講演

「脳腫瘍治療課題と今後の展望」 脳神経外科教授 近藤聡英 先生

「脳血管内治療の変遷と最先端治療」 脳神経外科准教授 寺西功輔 先生

■シミュレーション実習

VRアンギオグラフィシミュレーターを用いたIVR体験(頭蓋内動脈瘤のコイル塞栓)

 

 

近藤教授のご講演。脳神経外科における対象疾患の解説や、脳腫瘍の症例、ナビゲーションシステムでの腫瘍の解析などを大変明解にご講義いただきました。質疑応答では、ロボットや顕微鏡などの機器について先生のご見解を問うものが多数寄せられ、大変盛り上がりました。

 

 

寺西先生のご講義は「我々医療者は企業の協力がないとできない。共利共生(セイエイ様の会社理念)に共感する。」との言葉からスタート。フローダイバーター等最新のデバイスとその治療法をご教示いただきました。

 

講義で解説されたデバイスを実際に手に取ってみることができます。コイルやバルーンが血管内でどのように拡張されているかも実際に目で確認することができました。

 

IVRシミュレーション体験。脳動脈瘤にステントを留置する手技を行いました。

 

 

第3回 上部消化管外科/産婦人科 8月17日(水) 

■講演

「先進的な産婦人科領域での鏡視下手術課題」 産婦人科教授 北出真理 先生

「上部消化管外科治療手技と課題」 上部消化管外科教授 福永 哲 先生

■シミュレーション実習

腹腔鏡下縫合結紮手技、ダヴィンチ操作体験、VRラパロシミュレーターでの腹腔鏡下手術体験(虫垂切除)

 

北出教授のご講演。子宮疾患の低侵襲手術について最新の医療機器を用いたアプローチなどをご講義いただきました。

 

福永教授からは食道胃接合部がん治療の最新情報や光学機器、腹腔鏡デバイスの解説がありました。北出先生もそうですが、今回も「合併症を防ぐこと、予後の回復が早いこと」の低侵襲治療に信念をもっていらっしゃることを強く感じるご講義でした。

 

鏡視下縫合手技体験

 

ロボットシミュレーション体験

 

腹腔鏡VR手術体験(虫垂切除)

 

 

第4回 消化器内科 8月18日(木) 

■講演

上部消化管「EMR/ESDの基本手技」 消化器内科准教授 上山浩也 先生

下部消化管「大腸挿入法とポリペクトミーの基本手技」 消化器内科准教授 村上 敬 先生

■シミュレーション実習

VR内視鏡シミュレーターでのESD体験(上部)、ポリペクトミー切除体験(下部)

 

消化器内科学講座の永原章仁教授が科を代表してご挨拶にお越しくださいました。

 

前半は村上敬先生の下部消化管領域のご講演。拡大内視鏡やコールドスネアなどのデバイスやEndoBrainなどAI診断の最新の情報もご教示いただきました。

 

下部消化管内視鏡シミュレーションにて大腸ポリペクトミー切除を体験。

 

後半は上部消化管について上山浩也先生にご講演いただきました。ESDデバイスについて各社製品の特長をじっくり解説いただいた後、実際に研究に携わっていらっしゃるAIのシステムツールについても解説いただきました。

 

上部消化管内視鏡シミュレーターにてESD手技を体験。講義で解説いただいたデバイスを使用したことで、デバイスの特徴がより体得できたのではと思います。

 

 

第5回 整形外科/麻酔科・ペインクリニック 8月26日(木) 

■講演

「大腿骨頸部骨折治療課題と未来」 整形外科助教 渡 泰士 先生

「麻酔基礎・痛み治療課題と未来」 麻酔科・ペインクリニック教授 井関雅子 先生

■シミュレーション実習

ハンソンピンロックシステムのVRシミュレーション(大腿骨頸部骨折)(賛助:ハンソンイノベーション㈱様)

ジェネレーターを用いた痛み治療体験(賛助:㈱トップ様)

 

渡先生のご講演。観血的骨接合術、人工関節置換術(セメントテクニック)、2022年に出た診療報酬改定など話題のトピックについてご指導いただきました。48時間ルールは各地域の営業方々には他施設の取組に関心が高い様子。順天堂医院の状況をお話いただきました。

 

骨折治療シミュレーターでのハンソンピンロックシステムを体験。頸部骨折に適切な角度でガイドピンを打つトレーニングができるシミュレーターです。

 

井関教授のご講演。ペインクリニックの痛み治療(インターベンショナル治療)として、神経ブロックと高周波パルス療法を概要から最新の使用状況まで解説いただきました。

 

実際にパルス高周波装置での治療を体験。操作方法をご指導いただきました。実技の合間にパルス治療が将来的にどのような安全性と頻度で実用化されていくか等、井関先生のご意見を伺う場面も。

 

 

 

当施設での研修がセイエイ・エル・サンテホールディングス株式会社様の人材育成のお役に立てましたら幸いです。

 

愛媛大学総合臨床研修センターを見学いたしました

8月19日(金)に愛媛大学医学部附属病院の総合臨床研修センターへ伺い、施設見学と教育面、運営面の情報交換を含む交流を行いました。当センターの福永センター長が愛媛大学医学部腫瘍外科教授の渡部祐司先生より愛媛大学のシミュレーショントレーニング施設をご紹介いただき、実現した施設見学です。

お忙しい中、総合臨床研修センターの熊木天児センター長、消化器腫瘍外科渡部先生をはじめ、指導と運営をされていらっしゃいます臨床研修チームの小松様、山根様にご案内いただきました。

 

総合臨床研修センターは、臨床研修トレーニングがメインとのことですが、学生教育にも力を入れており、多彩な教育プログラムをお持ちでした。1年生から系統立ててシミュレーション実習を行い、5年生まで手技訓練が網羅できるよう工夫されています。5年生ではその集大成として、スキルを確認し、なおかつスコアを競い合うというイベントを行うそうですが、学生に大変好評とのこと。教育には熱意と工夫が大切であることを実感した取り組みでした。

また、臨床の中で研修医や学生にトレーニングさせたいと感じた手技が、即時にハンズオンセミナーとして実践されます。実例をいくつかご紹介いただきましたが、内容はもちろんですが、必要なトレーニングがすぐに用意され、スキルアップがはかれる、その実践力や環境が大変素晴らしいと感じました。

施設内は大変広く、基本手技のトレーニング機器から高機能手術・検査機器までが充実していました。VRゴーグルの活用など、新しい取り組みもご教示いただきました。

今後も交流を行い、刺激を受けながら、当センターでも臨床力と医療安全を向上させるトレーニングを実践していきたいと思います。

 

トレーニングステーション。トレーニングのほか、ミーティングにも活用されるとのこと。

 

 

開放的なラパロのトレーニングルーム。また、高機能麻酔シミュレーターの解説をいただきました。

 

 

 

【臨床研修センター/順天堂コアカン ビヨンド】第1弾・眼科セミナーが開催されました!

6月30日木曜日、臨床研修センター主催の順天堂コアカンファレンスビヨンド眼科編が当センターにて開催されました。当センターにおいて開催される本カンファレンスは今年度第一弾となりました。

今回は、直像鏡と眼底シミュレーターを使った眼底検査シミュレーションが行われました。

講師は眼科の工藤大介先生です。工藤先生には、毎週水曜日1限目に当センターにて5年生対象の授業をご担当いただき、熱心で活気ある授業を行っていただいています。

 

【直像鏡についての解説】

直像鏡の使い方や特徴等についてご説明いただきました。また、直像鏡を使用する際のコツ、被験者との目線の位置や光を当てる角度について、実演を交えながら解説をしていただきました。

 

 

【眼底シミュレーターを使った実技指導】

学生の授業でも使われているこちらの眼底シミュレーターには、36種類の症例が入っており、より実践的なトレーニングができる機器となっています。

 

シミュレーションが一通り終わった後、ご参加された研修医の先生方で実際にお互いの眼を観察されていました。シミュレーションでは簡単だったことが、実際に行ってみると、個人差もありなかなか難しいとの声もあがっていました。

※感染症対策として、マスク・手袋着用で行いました

工藤先生は苦戦されている研修医を一人一人まわり、アドバイスを送られていました

 

実技指導の後、研修医の先生方からの質問に丁寧に答えていただいているのが、とても印象的でした。

カンファレンスで使用された直像鏡、眼底シミュレーターについては、当センターにてご利用可能です。

研修医の先生方には、空き時間を利用していただき、ぜひご活用いただければ幸いです。

お忙しい中ご参加いただき、ありがとうございました。

 

ケンブリッジ大学の学生さんへのロボットシミュレーション

順天堂大学では、海外より定期的に見学型研修者を受け入れています。6月21日よりケンブリッジ大学6年生のタチャクリット・テーチャーティラクンさんがこの研修に参加しています。

今週から上部消化管外科で研修を行っており、28日(火)にシミュレーションセンターにてダヴィンチシミュレーターでのトレーニングを行いました。指導医は上部消化管外科の吉本雄太郎先生です。ご指導はフィンガークラッチの基本操作からていねいに行われ、最後は縫合ができるまでに訓練を重ねられていました。

 

 

 

USMLE取得を目指す本学の学生たちと交流もされました。