眼科BSL(M5)
Class practice using simulation 5 (シミュレーターを使用した授業実践レポート)
【眼科BSL(M5)】 担当:工藤 大介 先生
毎週水曜日の1限目は、先生の熱心なご講義の声と学生の笑い声がよく聞こえます。5年生を対象とする、眼科工藤大介先生による臨床実習です。3時間をかけ、じっくりと講義とシミュレーション実習が行われています。
工藤先生の講義は、学生のヒアリングから始まります。眼科を回っている期間、どんなことを学びたいか、どんな分野に興味があるかについて一人一人からじっくり聞き取られます。さらに、今後どんな方向で進んでいきたいか、進路相談にも応じていらっしゃり、それを併せ総合的に個々に応じたレポート課題を設定されます。例えば、小児科へ進みたい学生には、斜視などの小児の眼科分野の課題、自分には重症なドライアイがあり悩んでいるという学生には、ドライアイの診察・検査を実習させる、等です。
眼科の分野に限らず、国試や研修先病院の相談、人生相談等も行われることがあります。それに対しても先生の医師になられた経緯や、スポーツドクターや共同研究等、院外でのご経験も交えた興味深いアドバイスが丁寧にされていらっしゃるのが印象的でした。
講義の様子
その後、直像鏡と眼底シミュレーターを使った眼底検査シミュレーションとドライキットを使った白内障の手術シミュレーションの2種類の実習を行います。
眼底検査シミュレーションは、はじめに直像鏡の使い方を実習。屈折度数(ピント)の合わせ方、持ち方、検査の角度等がレクチャーされ、眼底シミュレーターで視神経や眼底を観察します。眼底シミュレーターには36症例が搭載されており、眼底から眼科疾患の診断をするのに大変有効的なトレーニングができます。直像鏡については、眼科以外の領域においても診断ツールとして大いに活用することができ、例えば総合診療科や救急科で視神経乳頭を見ることで、うっ血乳頭の観察から頭蓋内圧亢進の判断を行うことができたりするため、どの科に行くにしても臨床医であれば身につけておくべき技術であることを解説されていました。
眼底シミュレーション実習の様子
後半の白内障ドライラボ実習では、手術解説の動画を視聴した後、「机太郎ドライラボ」のトレーニングキットを用いて実技を行います。このキットはウェットで訓練をする前にCCC、核分割手技、IOL挿入、自己閉鎖創作製までを場所を選ばずに繰り返し行うことを目的に作られました。樹脂粘土でできた模擬水晶体を実際の手術器具で分割したり、回転させたりして白内障手術の手技を実体験しますが、学生は実際に眼球にメスを入れることで人眼を扱う緊張感や感覚も理解することができます。白内障手術の実習は1時間ほど行われますが、毎週、全員が最後まで夢中になって手技に取り組んでいます。工藤先生は一人一人の手技に対し、細やかに指導や評価をされます。ときには雑談を交えながら和やかに、且つ内容が大変充実したシミュレーション実習に、当センターをご活用いただいております。