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セイエイ・エル・サンテ ホールディング㈱ 第1回人材育成研修会が開催されました

3月11日(金)にセイエイ・エル・サンテホールディング株式会社様(以降、敬称を略させていただきます)による社内の人材育成を目的とした研修会が開催されました。シミュレーションセンターを企業様に活用いただくのは、今回が初めてになります。

セイエイ・エル・サンテホールディングは医療と介護領域で医療機器販売業を行っていらっしゃり、関東から西日本にわたり9社のディーラー会社をお持ちです。かねてより「医療における専門的臨床知識を備え、多職種の医療従事者の視点を幅広く理解した上で高品質な提案ができる」ことをねらいとした社内研修を行いたいとのご相談があり、シミュレーションセンターを会場に、センターの機能を活かしながら専門性を高めることを目的に企画がされ、当センターが支援をする形で実施することとなりました。

今回は関東の販売会社より10名の内視鏡手術を担当する営業様が対象。研修は主に当医院の医師による講義と手技指導(シミュレーション)を組み合わせた内容です。知識の獲得に併せ、実際に手技を行うことで具体的な手術のイメージを持つことができ、その経験が営業にいきる、そんな考えで企画されました。

指導されたのは、低侵襲手術を推進される当センターの福永哲センター長(上部消化管外科学教授)と北出真理副センター長(産婦人科学教授)です。営業するにあたり医療知識を必要とする企業様に向け、わかりやすいご指導がなされました。

 

セイエイ・エル・サンテホールディングス株式会社様によるご挨拶

 

 

■講演

1 消化管外科分野 福永哲先生(上部消化管外科学教授)

福永先生からは、胃がんについて最新の治療法が解説されました。胃がんの状況や内視鏡下手術の概要の説明があったのち、癌の鑑別とリンパ節転移の有無に応じてどの部分を切除するかについて、部位ごとに写真を用いた術式の解説がありました。先生は繰り返し(手術で)「いかに組織を傷つけないか」「合併症を起こさない」「術後の回復がよいこと」をおっしゃっており、手術において先生が重きを置かれている点が「患者さんの負担を軽くすること」だということがひしひしと伝わってくるご講演でした。このことから今後の医療や医療機器に期待することは、以上の点をカバーしていく技術(ロボット手術など)とのことでした。

質疑応答では、今後のロボットに求める機能などについて、積極的に福永先生のお考えを聞く場面も

 

 

2 婦人科分野 北出真理先生(産婦人科教授)

北出先生からは、婦人科の内視鏡下手術で使用する手術機器と術式について解説されました。

手術機器が向上し、手技もエキスパートの動画で習得できる時代なので、若い医師たちは開腹手術を経験せずにラパロ手術からスタートするケースも見られるようになったとのこと。ラパロは難易度が高いため習熟に時間がかかるが、癒着が少なく術後回復が早いため今後さらに件数が伸びていくとのことで、今後ラパロの技術習得の必要性を受講者側が実感できるご講義でした。その他、手術デバイスや腹腔鏡下手術の術式についても解説いただきました。

 

 

 

■シミュレーター体験

3種類のシミュレーター体験を行い、すべての手技を体験していただきました。

ロボットシミュレーション

 

ロボットシミュレーションのご指導は折田医師(食道・胃外科)が行いました。ロボット手術におけるクラッチ操作、カメラワークの基本タスクを体験いただきました。

 

VR腹腔鏡下手術シミュレーション

VR手術体験では、主に腹腔鏡下虫垂切除術を体験いただきました。

 

腹腔鏡下鉗子トレーニング/縫合結紮手技

 

鏡視下鉗子トレーニングゲームSASUKE

 

北出教授によるデモンストレーションの様子

 

腹腔鏡下での縫合・結紮を体験いただきました。

 

 

■エンディング

北出教授より、全体のご講評があり、「本日のシミュレーションで体験した通り、手技の大変さをわかっていただけたと思う。大変さは習得した医師も同じ。この気持ちになって商品を扱っていただきたい。今後担当先のドクターと話す際、今日のことを思い出していただければこの研修の意義がある。」との言葉がありました。

 

 

当施設での研修がセイエイ・エル・サンテホールディングス株式会社様の人材育成のお役に立てることを祈念しております。