第16回医療体験セミナーを開催いたしました NEW Release!!
3月1日(土)に第16回医療体験セミナーを開催いたしました。今回は高校1年生、2年生が対象で、産婦人科や救急科を中心に6つのブースで9つの体験を実施しました。真剣に手技に取り組む参加者の皆さんと熱意あふれる指導をする医師・看護師・医学生スタッフで会場は熱気に包まれ、セミナーを盛況に終えることができました。その様子をお伝えいたします。
SASUKE(腹腔鏡ブース)
腹腔鏡下で鉗子の練習を楽しく行うために考案されたゲーム型のトレーニングです。実際に婦人科の医師が考案し、医師や学生はSASUKEで楽しんで練習しています。今回は3種類のゲームをタイムレースで競ってもらいました。ゲームといっても初めての腹腔鏡体験ですので両手の協調操作が難しかったと思いますが、高得点を目指し、楽しんで行っていただけたと思います。
分娩体験(産科ブース)
妊婦さんのお腹と胎児の人形を使って実際にお産を取り上げる体験です。分娩体験の前に骨盤やお腹の中での胎児の成長の過程などについてのレクチャータイムがあり、知識を持った上でいよいよ分娩シミュレーションです。胎児を取り上げる方法を教えてもらい、「もう少しですよ!息を吸って!いきんでください!」など妊婦さんへの声かけも行いながら、無事出産できると自然と拍手が沸いていました。
腹腔鏡手術シミュレーション(VRシミュレーターブース)
VRで手術体験ができるシミュレーターで腹腔鏡手術を行いました。電気の通った手術器具を使って組織を切っていきます。切る部位が正しくないと出血もするため、熱を加えて止血するという方法を教えてもらいながら、切除・回収・洗浄・吸引までを行いました。今回は婦人科で行う症例を体験してもらいましたが、術後の回復が早く、痛みが少ない手術(低侵襲手術)として腹部の手術ではよく行われています。
ロボット手術シミュレーション(VRシミュレーターブース)
年々手術件数の多くなっているロボット手術。ダヴィンチというロボット支援手術機器のシミュレーターで縫合をする体験をしてもらいました。手で持っている感覚で縫っていくのですが、モニターを見ながら遠近感をつかまなければならないのが難しかったと思います。
電気メス体験(手術室ブース)
電気メスで腫瘍をくり抜く手技を体験してもらいました。電気メスで組織を切除するのはどういう原理で行われているのかについて解説があった後、腫瘍を摘出する手順を説明してもらいました。メスを持たない方の手で組織をしっかりと牽引することが大事とのこと。組織を焦がさないように、繊細に電気メスを扱い、腫瘍を摘出することができていました。
採血・注射体験(手術室ブース)
注射を打たれたり採血をされたりした経験がある方が多く、身近な手技だったのではないでしょうか。駆血によって模擬皮膚から血管が浮き出てくる様子を見て触って確かめ、そこへ針を刺していきます。採血管に血液が入ってくると医療者になった気分になったのでは。皆さん、とても上手に針を刺すことができていました。
一次救命処置(救急蘇生ブース)
人が倒れていたらどのように対応するか、からレクチャーが始まり、正しい速さと深さでの胸骨圧迫と正しい量のマスク換気ができるように練習しました。
二次救命処置(救急蘇生ブース)
一次救命の後、気管挿管、除細動、ルート確保、腹部エコー検査(FAST)の4つの手技に分かれて練習をします。その後の二次救命処置で担当する仕事になるなので、どういうどうしてこの処置を行うのか、役割の意味を伝えながら体験してもらいました。最後に搬送された患者さんの容態に合わせてアルゴリズム通りに救命を行いました。どのグループも各自の役割を果たせたので、無事患者さんを蘇生させることができました。
交流タイム
参加者の皆さんとグループのチューター役の学生が交流を深めるコーナーです。さっくばらんに進路や受験への悩みを相談したり、学生の受験経験談や大学生の生活の様子を聞いたりする歓談タイムでした。医師以外の医療系の道を目指していたり研究者を目指していたりする生徒さんもいましたが、生徒さん同士で共感し合ったり改めて医師を目指したいと思った、等の感想が聞かれ、有意義な時間になったことと思います。
■閉会式
SASUKE表彰
3種目を制限時間内にどのくらいの手技ができたかで得点され、上位1~3位には賞品が贈られました。SASUKE担当の北出真理教授より表彰されました。
電気メス手技表彰
電気メスを使って腫瘍を摘出した際に、評価アプリを使用して点数を付けました。最高得点者が渡邉武大先生より発表され、賞品が贈られました。
認定証授与
北出副センター長と丸山洋二郎先生より閉会の挨拶
ご参加のみなさん、長時間にわたり体験お疲れ様でした。次回は夏に高校1~3年生を対象に開催予定です。当センターWebサイト、順天堂大学公式LINE、よりお知らせいたしますので、よろしければぜひまたご参加ください。
ご協力ありがとうございました
福永哲先生(上部消化管外科教授/シミュレーションセンターセンター長)、北出真理先生(産婦人科教授/シミュレーションセンター副センター長)、折田創先生(上部消化管外科/シミュレーションセンター副センター長)
那須元美先生、渡邉武大先生(上部消化管外科)、本庄薫平先生(下部消化管外科)、村上圭祐先生、吉田惠美子先生、丸山洋二郎先生、武内詩織先生、熊谷麻子先生、田中沙織先生、土屋葉菜子先生(産婦人科)、渡辺心先生、門田勝彦先生、桑田力丸先生、津下詩帆先生(救急科)、高橋友子さん(看護師/蘇生教育インストラクター)、来間一平さん(看護部B棟手術室)
企業協力:松永健志様(科研製薬株式会社)
個人協力:吉田莉菜様
本学学生:髙木政志さん(M5)、赤﨑惠子さん(M3)、伊藤唯衣さん(M3)、冨高真子さん(M3)、永堀健太さん(M3)、山﨑覇さん(M3)、山梨真拓さん(M3)、黒瀬隼吾さん(M2)、田中優希さん(M2)、福田幸純さん(M2)、池畑帆夏さん(M1)、尾之内菜々子さん(M1)、仲澤泉さん(M1)